【FP監修】一般葬にかかる費用の平均 | メリット・デメリットは?

一般葬にかかる費用の平均

親が高齢になって介護が必要になってきたら、そろそろ葬儀のことも考えなければならない時期かもしれません。

「父は顔も広かったし、最後の別れになるから格好がつく一般葬をしてあげたい。だけど、あまりお金がかかるのも困るので、できるだけ情報を集めて準備しておきたい。」このような相談を聞くことがあります。

今回、解説する記事の内容をまとめました。

  • 一般葬で実際にかかる費用の平均は、30名で110万、参列人数が増えるほど費用も増える
  • 一般葬の平均人数は70名程度
  • 一般葬は参列に制限はなく誰にでも参列してもらえるが、家族葬は参列者が限られる
  • 一般葬のメリットは多くの方にお別れをしてもらえること、デメリットは費用がかかること
  • 一般葬の費用を抑えるには、葬儀保険の加入がおすすめ

この記事を読めば、一般葬でかかる費用、家族葬との違い、メリット・デメリット葬儀費用まで詳しく知ることができます。

この記事の執筆者

筆者:北原 美弥子

執筆者 北原美弥子

FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。

目次

一般葬でかかる費用の平均を紹介

こちらでは、一般葬で実際にかかる費用の平均を30人、50人、70人に分けて紹介しています。こちらを読むことで参列者の人数に対してかかる費用をイメージすることができます。

一般葬でかかる費用の平均【30人の場合】

30名程度の参列だと、一般葬では小規模といえます。故人の家族、親戚、故人とごく親しかった方が参列するのをイメージしてください。葬儀費用一式に加え、位牌手配や火葬費がかかるので、総額は平均110万円程度です。

項 目内 容料 金
葬儀費用一式・搬送・安置・通夜・告別式・火葬
・祭壇
・役所手続代行
・斎場への搬送
650,000円
葬儀以外の費用・僧侶手配(読経、戒名授与含む)150,000円〜
・位牌30,000円〜
・通夜、火葬場飲食代150,000円〜
・返礼品70,000円
・火葬費用(地方自治体による)無料〜78,000円

一般葬は、通夜と告別式を2日に分けて行う昔ながらのお葬式の形です。基本的な葬儀費用に加えて、僧侶へのお布施、通夜の飲食代などが必要となります。

葬儀が終わり四十九日経つと納骨を行うことになります。納骨方法によりますが、最低でも10万円以上はかかるので、そちらの費用も別途に準備が必要です。

一般葬でかかる費用の平均【50人の場合】

一般葬で一番多く見られるのが50名程度の葬儀です。故人の親族関係が20名と故人の付き合いがあった方が30名参列するのををイメージしてください。葬儀費用は平均140万円程度必要です。

項 目内 容料 金
葬儀費用一式・搬送・安置・通夜・告別式・火葬
・祭壇
・役所手続代行
・斎場への搬送
750,000円〜
葬儀以外の費用・僧侶手配(読経、戒名授与含む)150,000円〜
・位牌30,000円〜
・通夜、火葬場飲食代250,000円〜
・返礼品100,000円
・火葬費用(地方自治体による)無料〜78,000円

現在、多くの一般葬はこの人数が標準とされています。故人の親族のほかにお付き合いがあった方にも多く参列してもらい、通夜、告別式を行います。

故人の知り合いにも広く参列してもらう一般葬を望まれる場合は、この人数の一般葬を念頭におくとよいでしょう。

一般葬でかかる費用の平均【70人の場合】

故人の生前の付き合いがかなり広かった場合、70名程度の一般葬となります。個人の親族20名と付き合いのあった方50名が参列するのをイメージしてください。葬儀費用は平均170万円程度必要です。

項 目内 容料 金
葬儀費用一式・搬送・安置・通夜・告別式・火葬
・祭壇
・役所手続代行
・斎場への搬送
950,000円〜
葬儀以外の費用・僧侶手配(読経、戒名授与含む)150,000円〜
・位牌30,000円〜
・通夜、火葬場飲食代350,000円〜
・返礼品150,000円
・火葬費用(地方自治体による)無料〜78,000円

70名が参列する規模の一般葬は、現在では減ってきています。葬儀費用が高額になるのも理由ですが、亡くなる方の高齢化により参列者数も少なくなっているからです。

故人の交際範囲がかなり広い場合や現役で仕事をしていた場合、遺族の関係者なども参列する場合には、この規模の一般葬になることが多いです。この規模の葬儀は、費用の準備をできるだけ早めにしておくことが大切です。

一般葬と家族葬の違い | それぞれの割合は?

そもそも、一般葬と家族葬はどのように違うのでしょう。また、一般葬と家族葬それぞれの割合はどのくらいなのでしょう。

一般葬と家族葬の違い

一般葬と家族葬の違いは、簡単にいうと「誰に参列してもらうのか」です。一般葬は、親族以外に知人、近隣の方など広く葬儀に参列してもらい、家族葬は、故人の親族とごく親しい人だけに参列してもらいます。

一般葬は、親族以外に知人、近隣の方など多くの方に参列もらうのが目的の葬儀なので、参列に制限を設けません。しかし、家族葬は、故人の親族とごく親しい人だけで小規模に弔うのが目的なので参列者は遺族の判断となります。

葬儀自体の形式も違います。一般葬は格式を大切にする葬儀なので2日に分けて通夜、告別式を行います。いっぽう、家族葬は身内の参列が中心となるため、通夜や告別式を行わず火葬のみにする場合もあります。

一般葬と家族葬【割合】

一般葬と家族葬の割合ですが、むかしは一般葬が8割以上を占めていました。しかし、直近はコロナの影響もあり、およそ7割が家族葬や火葬のみを選び、一般葬を選ぶのは3割程度とのアンケートもあります。

一般葬という名称のように、以前は多くの方に参列してもらい通夜、告別式を行うのが一般的な葬儀でした。しかし、近年は身内だけで静かに葬儀を行う家族葬が大きく増えています。

一般葬ではなく家族葬を選んだ理由には、「葬儀費用が高額である」ことや、「親族や知人も高齢なので葬儀に呼ぶのは申し訳ない」などがあります。

一般葬にするメリット・デメリット

一般葬を行うにあたっては、メリット、デメリットもよく理解しておく必要があります。ここでは、一般葬にどんなメリットとデメリットがあるのかを詳しく説明していきます。

一般葬にするメリット

一般葬を行うメリットとして、多くの方に最後のお別れをしてもらえることが挙げられます。また、一般葬は通夜、告別式を行う従来の葬儀形式であるため、周囲の理解を得やすいこともメリットといえるでしょう。

一般葬は通夜、告別式を通じて多くの方にお別れをしてもらうので、遺族としても故人の思い出を聞く良い機会となるでしょう。

限られた参列者のみの家族葬では、葬儀後に自宅へ弔問客が訪れることがあります。しかし、一般葬は多くの方が葬儀に参列できるので、後日に自宅を訪れる弔問客の対応に追われることもありません。

一般葬にするデメリット

一般葬を行うデメリットは、葬儀費用が高くなることが挙げられます。また、一般葬は参列者が多いため、葬儀社との間で取り決めなければならないことが多く、遺族の負担になることもあります。

一般葬の費用が高くなるのは、参列者が多いので広い式場を手配したり、祭壇なども格式の高いものになるからです。また、返礼品や参列者の食事の用意なども人数に合わせて準備しなければならないので費用が大きくなります。

一般葬は、葬儀社との打合せのほかに通夜、告別式ともに参列者の対応もしなければならないので遺族、特に喪主の負担が大きくなります。葬儀を終えた途端に体調を崩してしまったという話しもよく聞きます。

一般葬の平均人数は何人くらい?

一般葬の参列者数は、故人の生前の付き合い、亡くなった年齢、住んでいる都道府県などで大きく変わってきます。一般葬の参列人数は30人から100人以上とかなりばらつきがあり、平均すると70人程度です。

たとえば故人が直近まで仕事をしていた場合、参列者は100人以上になることもあります。故人の年齢が高齢だと参列者はかなり少なくなります。都道府県で見ると、地方の方がより多くの方が葬儀に参列する傾向にあります。

一般葬の場合、どのくらいの人数が参列するか判断に困ることもあるでしょう。故人の交際範囲や近隣との付き合い、年齢などを考慮して、どのくらいの規模の一般葬にするか決めると良いと思います。

一般葬を行う場合の流れ

それでは、一般葬を行う場合の流れについて、かんたんに説明しましょう。

1.ご逝去

医師による死亡確認後に死亡診断書が発行されます。死亡診断書は火葬、埋葬時に必要です。その後、すみやかに葬儀社へ連絡します。

葬儀社がまだ決まっていない場合でも、ご遺体の搬送だけ依頼することはできます。

2.搬送・ご安置

葬儀社の寝台車に迎えに来てもらい、故人を安置先に搬送します。安置場所は自宅でもかまいませんが、葬儀社の安置室を利用される方が多いです。

3.葬儀社との打ち合わせ

葬儀社のスタッフと葬儀の日程や内容、今後の流れなどを打合せします。僧侶の手配、式場、火葬場の空き状況、遺族の都合などをてらしあわせ、日程とプランを決定し、葬儀費用の見積を出してもらいます。

一般葬の場合、葬儀社との打ち合わせにかかる時間は、葬儀の規模にもよりますが平均2時間程度です。

4.訃報の案内

親族や故人の知り合いなど、参列してもらいたい方へ葬儀の連絡をします。

5.ご納棺

ご遺体は告別式までにお棺に納めてもらいます。手配は葬儀社が行ってくれます。その際、想い出の品物などを入れることも可能です。

6.お通夜

故人を式場に安置して行います。通常は18時ごろ開始して、およそ1時間ほどの儀式となります。仏前式で行う場合は僧侶に来てもらいお経を読んでもらいます。

通夜のあと、通夜振る舞いと行って、遺族が弔問客への謝意を込めて酒食を振る舞います。別室で料理やお酒でもてなしながら故人の思い出を語り合います。接待は主に遺族が行います。

7.告別式

告別式は1時間ほどの儀式です。火葬場に出発する前に、故人様との最期のお別れとなります。告別式の時間は、火葬場の予約時間から逆算して決定します。

8.火葬

火葬場にて荼毘に伏します。時間は1時間前後です。荼毘終了後、ご遺骨を骨つぼに収め、葬儀は終了となります。骨つぼは、納骨まで自宅に安置することになります。

以前は火葬場から戻った後、精進落としとして食事をふるまうことが多かったのですが、最近は火葬を待つ間にお弁当などを出すことが増えています。

【PR】一般葬にかかる費用の負担を抑えたいなら「葬儀保険の加入」がおすすめ

葬儀保険は、本人の死亡の際、保険料が速やかに支払われるので、ご遺族の葬儀費用の負担を抑えることができます。

無告知型葬儀保険

無告知型葬儀保険は、加入するときに医師の診断書や健康告知などが必要ない保険です。疾病がある高齢の方でも加入しやすいのが特徴ですが、健康告知ありの保険に比べると保険料がやや割高になります。

40歳から79歳まで加入できます。保険期間は1年で、最大99歳まで更新が可能です。プランは1口(10万円)から最大10口(100万円)まで選べます。

契約日から3ヶ月間は待機期間のため、保険金は支払われません。申込時点で、本人が入院中であったり、著しい認知などで要介護の場合は、保険に加入できません。

【こんな方におすすめ】

  • がんや脳梗塞などの疾病で、他の保険に加入できない方

保険料一定型葬儀保険

保険料一定型葬儀保険は、一定の保険料を支払い続ける保険です。支払い保険料が一定である代わりに、年齢が進むにつれ受け取る保険金が減少していきます。

40歳から84歳まで加入できます。保険期間は1年で、最大99歳まで更新が可能です。支払方法は月払いのみです。医師の診断書は不要ですが、入院中や要介護の方は加入できない場合もあります。

契約日から1ヶ月間は待機期間のため、保険金は支払われません。支払う保険料は、1年ごとの更新時にのみ増額・減額変更が可能です。

【こんな方におすすめ】

  • あまり高い保険料は支払ないが、葬儀の費用は少しでも準備しておきたいという方

保険金固定型葬儀保険

保険料一定型葬儀保険は、受け取る保険金が固定されている保険です。年齢に関わらず変わらない保険金を受け取れますが、代わりに年齢が進むにつれ支払う保険料が増加していきます。若い年齢で加入するほど保険料は安く済みます。

40歳から84歳まで加入できます。支払方法は月払いと年払いがあります。医師の診断書は不要ですが、入院中や要介護の方は加入できない場合もあります。

契約日から1ヶ月間は待機期間のため、保険金は支払われません。受け取る保険金の額は、1年ごとの更新時にのみ変更が可能です。

【こんな方におすすめ】

  • 年齢はまだ若いが、万が一に備えて葬儀費用を準備しておきたいという方
  • 葬儀費用はある程度の額が必要だという方
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