自分が年齢を感じるようになると、そろそろ親の葬儀のことを考えなければならないと心配になってきます。親もいつまでも元気なわけではありません。
最近は、親の葬儀は一般葬より費用がかからない身内だけの小規模な家族葬を望む方が増えています。しかし、実際は家族葬も思ったより費用がかかります。
今回の記事のまとめ
- 家族葬で実際にかかる費用の平均は、5名の家族葬で50万、参列人数が増えるほど費用も増える。
- 家族葬の平均人数は20名程度
- 家族葬でかかる費用は喪主が支払うものとされているが、最近は親族で負担し合うこともある
- 家族葬にかかる費用を抑えるには、複数の葬儀社で探す、自治体の補助金などを利用する
- 家族葬の費用を抑えるのに、葬儀保険の加入がおすすめ
この記事を読めば、家族葬で実際にかかる費用と葬儀費用を抑える方法まで詳しく知ることができます。
この記事の執筆者
執筆者 北原美弥子
FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。
この記事の執筆者
執筆者 北原美弥子
FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。
家族葬で実際にかかる平均費用は?
こちらでは、家族葬で実際にかかる費用の平均を5人、10人、20人、30人に分けて紹介しています。こちらを読むことで参列者の人数に対してかかる費用をイメージすることができます。
家族葬で実際にかかる費用の平均【5人の場合】
5名程度が最も小規模の家族葬です。故人の配偶者、故人の子供(2人)とその配偶者など家族だけが参列するのをイメージしてください。葬儀費用一式に加え、位牌手配や火葬費がかかるので、総額は平均50万円程度です。
項目 | 内容 | 料金 |
---|---|---|
葬儀費用一式 | ・搬送・安置・火葬(通夜・告別式なし) ・御霊前仏具 ・役所手続き代行 ・斎場への搬送 | 300,000円 |
葬儀以外の費用 | ・位牌(戒名授与含む) | 50,000円〜 |
・火葬費用(地方自治体による) | 無料〜78,000円 |
5名の家族葬では、通夜と告別式をせず、火葬前にお別れをすることが多いです。通夜と告別式がないので葬儀費用が抑えられます。一番最少限のプランだと葬儀一式を10万円以下に抑えることもできます。
家族葬で実際にかかる費用の平均【10人の場合】
10名の家族葬は。身内に加え、親戚が数名参列するイメージです。この場合、葬儀費用と火葬費を併せて総額60万円程度がかかります。納骨の費用は、別にかかります。
項 目 | 内 容 | 料 金 |
---|---|---|
葬儀費用一式 | ・搬送・安置・告別式・火葬(通夜なし) ・祭壇 ・役所手続代行 ・斎場への搬送 | 300,000円 |
葬儀以外の費用 | ・僧侶手配(読経、戒名授与含む) | 150,000円〜 |
・位牌 | 30,000円〜 | |
・火葬場飲食代 | 無料〜10,000円 | |
・返礼品 | 無料〜30,000円 | |
・火葬費用(地方自治体による) | 無料〜78,000円 |
10名程度の家族葬では、告別式を行う方が多くなります。告別式をする場合、お経をあげてもらう僧侶へのお布施がかかります。火葬場で待つ間の飲食代、参列者への返礼品代は、省略される場合もあります。
家族葬で実際にかかる費用の平均【20人の場合】
家族や親戚だけでなく、お付き合いがあった方に参列してもらうと、20名程度の葬儀になります。葬儀費用のほか火葬費用を含めると総額で80万円程度です。
項 目 | 内 容 | 料 金 |
---|---|---|
葬儀費用一式 | ・搬送・安置・通夜・告別式・火葬 ・祭壇 ・役所手続代行 ・斎場への搬送 | 450,000円〜 |
葬儀以外の費用 | ・僧侶手配(読経、戒名授与含む) | 150,000円〜 |
・位牌 | 30,000円〜 | |
・通夜、火葬場飲食代 | 100,000円〜 | |
・返礼品 | 50,000円 | |
・火葬費用(地方自治体による) | 無料〜78,000円 |
家族葬で一番多いのが、20名程度の葬儀です。20名程度だと、通夜と告別式の両方を行う場合が多いです。
家族葬で実際にかかる費用の平均【30人の場合】
親族や知り合いが多い場合は、30名程度の家族葬になります。30名の家族葬の場合は、やはり通夜と告別式を行うことが多く、葬儀費用だけで110万円程度必要となります。30名の家族葬の費用は小規模な一般葬とほぼ変わりません。
項 目 | 内 容 | 料 金 |
---|---|---|
葬儀費用一式 | ・搬送・安置・通夜・告別式・火葬 ・祭壇 ・役所手続代行 ・斎場への搬送 | 650,000円〜 |
葬儀以外の費用 | ・僧侶手配(読経、戒名授与含む) | 150,000円〜 |
・位牌 | 30,000円〜 | |
・通夜、火葬場飲食代 | 150,000円〜 | |
・返礼品 | 70,000円 | |
・火葬費用(地方自治体による) | 無料〜78,000円 |
30名程度の家族葬をする場合は、親が生前のうちから費用の準備を進めておく方が良いでしょう。費用が難しいときには、参列する人数の見直しなどが必要かもしれません。
家族葬の平均人数は何人くらい?
各葬儀会社が行っている顧客アンケートを見てみると、おおよその傾向として家族葬の参列人数は、平均20人程度です。
割合としては、10人以下の家族葬が全体の25%程度、10~20人の家族葬が40%程度、20~30人の家族葬が20%程度で、30人以下の家族葬が全体の8割を占めることになります。
家族葬でかかる費用は誰が払う?
家族葬にかかる費用ですが、だれが払うか法律では決まってはいません。しかし、一般的には故人の跡継ぎ、または配偶者が喪主をつとめて、葬儀費用も喪主が支払うとされてきました。
しかし、最近は、葬儀費用は「本人が自分で用意しておく」や「親族間で負担し合う」のような考え方が浸透しつつあります。
家族葬にかかる費用を安く抑えるには?
家族葬にかかる費用が想定よりもかかるのを知って、困っている方もいると思います。家族葬にかかる費用を安く抑える方法を紹介します。
葬儀社や料金プランを複数探してから選ぶ
家族葬といっても、参列する人数やどの程度の葬儀をするかによって料金がかわります。どのくらいの家族葬にするか決めたうえで、葬儀社と料金プランを複数探して比べてみましょう。
葬儀社の規模によって料金に差があります。同じ家族葬のプランでも、一般葬をメインとしている葬儀社は費用がやや高めです。家族葬専門の葬儀社は、費用が低い傾向があります。
補助や扶助の制度を活用する
家族葬の費用を抑えるのに、自治体からの補助金や扶助制度を活用できる場合があります。
故人が加入していた健康保険から「葬祭費(または埋葬費)」が補助金として支給されます。支給額は5万〜7万円程度です。また、故人や遺族が生活に困窮している場合は、自治体から最低限の葬儀費用(25万程度)の扶助が受けられます。
家族葬の費用を抑えたいなら
家族葬でも葬儀費用はある程度必要となります。家族葬にかかる費用の負担を抑えたいなら、「葬儀保険の加入」がおすすめです。葬儀保険は、本人の死亡の際、保険料が速やかに支払われるので、ご遺族の葬儀費用の負担を抑えることができます。
無告知型葬儀保険
無告知型葬儀保険は、加入するときに医師の診断書や健康告知などが必要ない保険です。疾病がある高齢の方でも加入しやすいのが特徴ですが、健康告知ありの保険に比べると保険料がやや割高になります。
40歳から79歳まで加入できます。保険期間は1年で、最大99歳まで更新が可能です。プランは1口(10万円)から最大10口(100万円)まで選べます。
【こんな方におすすめ】
- がんや脳梗塞などの疾病で、他の保険に加入できない方
保険料一定型葬儀保険
保険料一定型葬儀保険は、一定の保険料を支払い続ける保険です。支払い保険料が一定である代わりに、年齢が進むにつれ受け取る保険金が減少していきます。
40歳から84歳まで加入できます。保険期間は1年で、最大99歳まで更新が可能です。支払方法は月払いのみです。医師の診断書は不要ですが、入院中や要介護の方は加入できない場合もあります。
【こんな方におすすめ】
- あまり高い保険料は支払えないが、葬儀の費用は少しでも準備しておきたいという方
保険金固定型葬儀保険
保険料一定型葬儀保険は、受け取る保険金が固定されている保険です。年齢に関わらず変わらない保険金を受け取れますが、代わりに年齢が進むにつれ支払う保険料が増加していきます。若い年齢で加入するほど保険料は安く済みます。
40歳から84歳まで加入できます。支払方法は月払いと年払いがあります。医師の診断書は不要ですが、入院中や要介護の方は加入できない場合もあります。
【こんな方におすすめ】
- 年齢はまだ若いが、万が一に備えて葬儀費用を準備しておきたいという方
- 葬儀費用はある程度の額が必要だという方