【FP監修】身寄りなしの人のための終活ガイド | 自治体によるサポートとは

身寄りなしの人のための終活ガイド

終活とは自分の最期や亡くなった後の準備を行うことです。身寄りなしの「おひとりさま」の中には、自分が亡くなって困る家族もいないし、終活をする必要はないと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、身寄りがない方こそ、早めに終活をしておくべきです。甘く考えていると、他方にさまざまな迷惑をかけることになりかねません。

「ずっと独身で過ごしてきましたが、昨年、両親が揃って亡くなりました。他に身内もいないので自分の老後に向けて終活を始めたいと思います。身寄りのない人の就活について教えてください。」こんな相談がありました。

この記事を読めば、身寄りのない人の就活について、詳しく知ることができます。

この記事の執筆者

筆者:北原 美弥子

執筆者 北原美弥子

FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。

この記事の執筆者

筆者:北原 美弥子

執筆者 北原美弥子

FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。

目次

身寄りなしの人が終活をするべき理由

身寄りなしの人が終活をしない場合に発生するリスク

身寄りのない人が終活をしない場合に起こりうるリスクとはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 身元保証人がいない
  • 適切な財産管理ができない
  • 認知症・病気・死亡の発見が遅れる

配偶者や子供がいない人は、何かあったときの身元保証人や身元引受人を用意できないリスクがあります。また、財産についても自分が亡くなったときに希望していない人物に遺産がわたってしまう恐れがあります。

身寄りのない人は、認知症や病気にかかった場合に気づいてもらえないという大きなリスクを抱えています。最悪の場合、孤独死を迎えることになりかねません。万が一の場合、困ることがないように、元気なうちに身元保証や見回りなどのサービスの利用を検討しておきましょう。

身寄りなしの人が抱える孤独死の現状

下のグラフは、平成30年に60代男女を対象として行われた孤独死に関するアンケートです。

参照:全国60代男女・平成30年総務省調査

一人暮らしの方は、5割以上が孤独死に対して不安を抱える結果となっています。夫婦のみ世帯では、6割以上があまり不安を感じていません。また、実際の問題として、東京都では65歳以上の自宅での孤独死の数が毎年増え続けています。

地方では、近隣との付き合いが比較的残っているので一人暮らしの方でも孤独を感じることなく生活ができることも多いのですが、都市部ではなかなかそうはいきません。身寄りのない単身者は、元気なうちに孤独にならないようなサポート先を準備することが必要でしょう。

身寄りなしの人のための終活でやること

身寄りがない人が就活でやるべきことを挙げてみましょう。

エンディングノートを作成する

まずは、エンディングノートを作成してみましょう。エンディングノートに必要情報をまとめておけば死後の手続きもしやすくなります。また、自分の気持ちも伝えられます。

見守り・身元保証サービスの利用を検討する

身寄りがない人は、見守りサービスの利用を検討しましょう。さらに介護施設への入所や入院に備え、身元保証サービスの利用を検討しましょう。

老後資金の計画を立てる

終活をする際に老後資金の計画を立てておくと、残りの人生の不安を減らせますし自分らしい人生を過ごせます。老後資金の計画をする際には、「今の生活費」「現在の貯蓄額」「もらえる年金額」の3つを確認しましょう。

持ち物を整理しておく

持ち物を整理して、徐々に減らしていくのも終活のひとつです。持ち物の整理は体力がいる上に時間がかかるものです。元気なうちに取り掛かりましょう。

遺言書の準備をしておく

身寄りがない人が亡くなった場合、本人の希望しない人に財産が渡ってしまうこともあります。自分が希望する人や機関に財産を遺したいのであれば、遺言書の作成など相続対策を進めましょう。

介護や入院の準備をしておく

身寄りがない人は、介護や入院の準備もしておくと安心です。万が一の場合のために、かかりつけ医や処方薬、利用する介護サービスなどをまとめておきましょう。また、認知症になった場合のために「任意後見制度」を利用することも検討しましょう。

延命治療について決めておく

延命治療や終末期医療などについて意思表示を残しておきましょう。延命措置を拒否したい場合、エンディングノートにその旨を記しても良いですが、「尊厳死宣言公正証書」を作成しておくと本人の意思表示と保証されます。

葬儀・お墓の準備をしておく

希望する葬儀や埋葬がある場合には、その準備をしておくのも終活では大切です。希望の土地にお墓を用意したい、葬儀に来てほしい人がいるなどの希望があるなら、元気なうちにお墓や葬儀の手配をしておきましょう。

万が一の場合のペットの引取り先を見つける

身寄りのない人は、万が一の場合に備えて、飼っているペットの引取り先を必ず探しておきましょう。ペットは家族ともいうべき大切な存在です。引取り先が見つからない場合、動物愛護団体やNPO法人に相談してみましょう。

自治体や行政による身寄りなしの人のためのサポートとは?

近年では、身寄りのない人のために自治体や行政によるサポートサービスを増えてきています。主な例を挙げてみましょう。

高齢者の安否確認

一人暮らしの高齢者向けに、定期的な安否確認を行ってくれる自治体が増えています。多くの自治体が取り組んでいるのが、配食サービスによる安否確認です。定期的に食事を配達し対面で渡すことで、高齢者の健康状態を確認したり、孤独死を防いでいます。

終活相談窓口

自治体では、無料の終活相談窓口を設けていることがあります。市民であれば誰でも相談ができ、必要に応じて専門家が在籍していることもあります。終活相談窓口では、終活全般に関するお悩みから相続税についてなど、専門的な内容も相談できます。

葬儀社との生前契約の紹介

身寄りのない人の終活では、葬儀社やお墓の生前契約も大切です。自治体では、葬儀社やお寺など、提携しているところを紹介してくれることがあります。手続きのサポートまで行ってくれる自治体もあります。

身寄りのない人に対する自治体や行政のサポートは、正直まだ十分とはいえません。身寄りのない高齢者が年々増加しており、自治体、行政も対応に追われているのが現実です。身寄りのない方は、ある程度は自分で準備をしておかなければ安心した老後を過ごすことが困難です。歳を取ってから終活の準備に入るのではなく、生活に余裕のあるうちに進めておくことが必要です。

身寄りなしの人が終活にかかる費用

一般的に、身寄りのないおひとりさまの終活には、平均で250万円程度が必要とされています。

身寄りのない人の終活では、さまざまな費用が発生します。例えば、遺言書の作成、お墓の購入や管理、葬儀の準備など、これらの費用は個々の選択や状況により大きく変動します。

身寄りのない方は、高齢に差し掛かってから終活の準備を始めると費用が重く、思ったような終活ができないリスクがあります。やはり、体力や財力がある早い段階で終活に取り掛かる必要があると思われます。

まとめ:身寄りなしの人のための終活

身寄りなしの人のための終活について解説してみました。

この記事の内容をまとめました。

  • 身寄りのない人が終活をしないと、「身元保証人がいない」「適切な財産管理ができない」「病気や死亡の発見が遅れる」などのリスクがある
  • 身寄りのない人は、元気なうちに終活を始めて、「エンディングノートの作成」「財産の管理」「見守り・身元保証人サービスの検討」「持ち物の整理」などをしておくべき
  • 身寄りがない人に対する自治体や行政によるサポートを利用してみるのもおすすめ
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