この記事を読んでいるあなたは、親の葬儀費用のことで悩みを抱えているのではないでしょうか。
ひと昔前に比べて葬儀の規模は縮小されているとはいえ、それでもかかる費用は少なくはありません。親自身が葬儀費用の準備をしていないときには、子供がその負担を背負うことになります。そんな場合におすすめなのが「葬儀保険への加入」です。
この記事を読めば、親の葬儀にかかる費用を備えることができる「葬儀保険への加入」について詳しく知ることができます。
この記事の執筆者
執筆者 北原美弥子
FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。
葬儀保険に加入することで親の葬儀に備えることができる
葬儀保険の特徴や加入時の条件・注意点について簡単に説明しましょう。
葬儀保険の特徴
家族の葬儀費用の負担を減らすことができる
葬儀保険は葬儀費用のための保険です。高齢で持病がある方でも加入がしやすく、少ない保険料で始めることができます。被保険者が死亡した場合の保険金の支払いが迅速なので家族の葬儀費用の負担を減らすことができます。
親を被保険者、自身が契約者として加入できる
葬儀保険は、被保険者と契約者を別途に設定できます。被保険者は親、契約者を自身として加入することができるので、親が亡くなった場合には保険金は契約者である自身に支払われます。
親を被保険者、自身が契約者として加入する場合の条件と注意点
親を被保険者、自身が契約者の場合の加入条件
- 親が加入できる年齢は84歳(一部79歳)まで
- 親に入院や入院予定がなく、余命宣告も受けていない
- 親自身が保険契約の内容を理解し、自署できる状態にある
親を被保険者、自身が契約者の場合の注意点
- 親との関係が三親等以外(内縁など)は、ネット申込ができない
- 一部の特約の保険金は被保険者に支払われる
- 加入して1〜3ヶ月間の死亡の場合、保険金が支払われない
親の葬儀にかかる費用は?
葬儀にかかる費用は、ここ数年は減少傾向にあり、特に2022年度はコロナの影響もあって110万円と大きく減少しています。葬儀にかかる費用が減った理由として、家族葬や一日葬など身内だけで行う葬儀形式を選ぶ方が増えたことが挙げられます。
下の表は、葬儀費用の内訳です。規模が縮小しているとはいえ100万円を越える費用がかかることから、親の葬儀費用は早めに準備する必要があるといえるでしょう。
2022年 | 基本料金 | 飲食費 | 返礼品 | 総額 |
---|---|---|---|---|
全体 | 67.8万円 | 20.1万円 | 22.8万円 | 110.7万円 |
親の葬儀にかかる費用の詳細
親の葬儀が一般葬の場合
親の葬儀が一般葬の場合にかかる費用は、おおよそ100万〜200万円程度といわれています。最近は、一般葬を行う割合は減ってきていますが、親の交友関係の広さによっては一般葬を選ぶことになるでしょう。
親の葬儀が家族葬の場合
家族葬は、近年、もっとも増えている葬儀形式です。家族葬の費用は100万円程度といわれており、親族や故人に近しい人だけを招くため、一般葬より費用を抑えられます。また、親とのお別れをゆっくり済ますことができます。
親の葬儀が1日葬の場合
通夜を省略して告別式だけを行う一日葬も近年増えてきている葬儀形式の一つです。おおよその費用は30万〜50万円程度とかなり費用を抑えることができますが、親とのお別れの時間が短いことがネックです。
親の葬儀が直葬(火葬)の場合
直葬とは、通夜・告別式を行わず直接火葬を行う葬儀形式です。葬儀費用は大幅に抑えられ、10万〜20万円程度で済ませることができます。しかし、親とのお別れ時間が短く、親族の理解を得るのが難しいこともあります。
親のお葬式で包むお金はいくら?
親の葬儀で包むお金は、20代の方であれば3万円から10万円、30代の方であれば5万円から10万円程度、40代以上の方であれば10万円程度というのが相場です。
これは自分の両親のケースだけでなく、配偶者の両親が亡くなった場合も同様です。ただし、お金を包むのは葬儀費用の負担がない場合です。親の葬儀費用を負担する場合には、お金を包まなくても良いでしょう。
親の葬儀費用は誰が負担する?
親の葬儀費用は、誰が負担するべきなのでしょうか。
親の葬儀費用を負担するのは喪主
親の葬儀費用を負担するのは、「喪主」とされています。しかし、これは昔ながらの慣習で、近年では親自身が自分の葬儀費用を準備したり、子供や親族が負担を分けあうことも増えてきています。親の葬儀費用は、喪主になる子供が一人で背負うには負担が大きいので、親が元気なうちからよく話し合っておくことが必要です。
親の葬儀で揉めるケースの例と揉めないために気を付けること
葬儀は、親との繋がりを偲んで最後のお別れをする儀式ですが、中には親族で揉めてしまい、お別れどころではなくなってしまうこともあります。
親の葬儀で揉めるケースの例
- 葬儀費用を誰が負担するかで揉める
- 葬儀の規模で揉める
親の葬儀で揉めるケースとして一番多いのが「葬儀費用を誰が負担するか」です。また、「葬儀の規模」についても、出席できない親族からクレームが出て、揉めるケースがあります。
親の葬儀で揉めないために
- 親が元気なうちに葬儀費用の負担を決めておく
- 親自身がどんな葬儀にしたいかを確認しておく
親の葬儀で揉めないためには、親が元気なうちに葬儀について、よく話し合っておくことが大切です。葬儀費用をどうするか、どんな葬儀にするかを決めておけば、揉めることがなくなります。
親が亡くなったけど葬儀代がない場合の給付金や補助金は?
親が亡くなったときに葬儀代が用意できないこともありえます。そんな場合、どうしたら良いのでしょう。親の葬儀費用で困ったときに利用できる給付金や補助金について紹介しましょう。
葬祭扶助制度の活用
葬祭扶助制度とは、経済的に困窮している人に対し、葬儀の費用を自治体が支給するものです。故人、遺族ともに生活保護の対象であることが条件で、最低限度の火葬式がおこなえる費用が支給されます。
国民健康保険や社会保険などの給付金制度を活用
国民健康保険や社会保険の加入者には、「葬祭費」「埋葬費」の名目で、亡くなったときに給付金が支払われます。支給額は自治体により異なりますが、3万〜7万円程度の範囲です。
親の葬儀費用で困らないために葬儀保険に加入しよう
親の葬儀の際に受け取れる給付金や補助金は、通常の葬儀を賄えるほどの金額ではありません。親の葬儀費用で困らないためには被保険者を親に設定した「葬儀保険」への加入がおすすめです。葬儀保険は500円程度の保険料から加入することができるので月々の負担が少なく、親が高齢だったり、持病があっても加入がしやすい保険です。
まとめ:葬儀保険に加入することで親の葬儀にかかる費用に備えることができる
当ページでのまとめはこちらになります。
- 葬儀保険は、親を被保険者、自身を契約者として加入できるので、親の葬儀にかかる費用に備えられる
- 親の葬儀にかかる費用は平均で110万円程度、家族葬や一日葬にするともう少し抑えられる
- 親の葬儀で受け取れる給付金などは少額なので、葬儀費用の備えには葬儀保険へ加入するのがおすすめ