この記事を読んでいるあなたは、自分の葬儀費用のことで悩みを抱えているのではないでしょうか。
近年では、終活が認知され始めたもあり、自分の葬儀で家族に費用の負担をかけたくないという人が増えています。また、子供がいなかったり、ひとり身の人にとっては自分の葬儀費用の準備は切実な問題でしょう。そんな場合におすすめなのが「葬儀保険への加入」です。
この記事を読めば、自分の葬儀にかかる費用を備えることができる「葬儀保険への加入」について詳しく知ることができます。
この記事の執筆者
執筆者 北原美弥子
FP技能士2級保持。長年にわたり企業の経理部に在籍した経験から、財務、法務の知識も備える。資産運用、保険に関する記事の執筆に加え、近年は墓じまい、永代供養に関する記事を多数執筆。
葬儀保険に加入することで自分の葬式代に備えることができる
葬儀保険に加入すると自分の葬式代に備えることができます。葬儀保険の特徴や加入時の条件・注意点について簡単に説明しましょう。
葬儀保険の特徴
家族の葬儀費用の負担を減らすことができる
葬儀保険は葬儀費用に特化した保険です。高齢で持病がある方でも加入がしやすく、少ない保険料で始めることができます。被保険者が死亡した場合の保険金の支払いが迅速なので家族の葬儀費用の負担を減らすことができます。
自身が望む葬儀にすることができる
葬儀保険は葬儀社と提携しているので、保険加入時に自分が望む葬儀を選ぶことができます。葬儀内容に合わせた保険金のプランを選択しておけば、葬儀費用は保険金から自動的に葬儀社に支払われるので安心です。
葬儀保険で受取人を設定する際の注意点
- 被保険者本人は受取人になることはできない
- 契約者と受取人の続柄は、原則三親等以内だが、一定の条件を満たせば範囲外のLGBT、内縁関係でも設定できる
葬儀保険は、被保険者が死亡した際に保険金が支払われるものなので、被保険者本人を受取人とすることはできません。受取人は配偶者や子供に設定することが多いですが、ひとり身で子供がいない場合などは親、兄妹に設定することができます。保険金を自分の葬儀費用に充てたいという方は、「保険金直接支払サービス特約」を利用するのがおすすめです。
自分の葬式代において家族が負担する費用は?
葬儀にかかる費用は、ここ数年は減少傾向にあり、特に2022年度はコロナの影響もあって110万円と大きく減少しています。葬儀にかかる費用が減った理由として、家族葬や一日葬など身内だけで行う葬儀形式を選ぶ方が増えたことが挙げられます。
下の表は、葬儀費用の内訳です。規模が縮小しているとはいえ100万円を越える費用がかかることから、自分の葬儀費用は早めに準備する必要があるといえるでしょう。
2022年 | 基本料金 | 飲食費 | 返礼品 | 総額 |
---|---|---|---|---|
全体 | 67.8万円 | 20.1万円 | 22.8万円 | 110.7万円 |
自分の葬儀にかかる費用の詳細
自分の葬儀が一般葬の場合
自分の葬儀に一般葬を選ぶ場合にかかる費用は、おおよそ100万〜200万円程度といわれています。最近は一般葬を行う割合は減ってきていますが、多くの方に送ってもらいたいという方は一般葬を選ぶのが良いでしょう。
自分の葬儀が家族葬の場合
家族葬は、近年、もっとも増えている葬儀形式です。家族葬の費用は100万円程度といわれており、親族や故人に近しい人だけを招くため、一般葬より費用を抑えられます。親しい人だけの落ち着いた葬儀ができます。
自分の葬儀が1日葬の場合
通夜を省略して告別式だけを行う一日葬も近年増えてきている葬儀形式の一つです。おおよその費用は30万〜50万円程度とかなり費用を抑えることができ、1日だけの葬儀なので遺族の負担も軽く済みます。
自分の葬儀が直葬(火葬)の場合
直葬とは、通夜・告別式を行わず直接火葬を行う葬儀形式です。葬儀費用は大幅に抑えられ、10万〜20万円程度で行うことができます。読経などの時間はほぼないので、親族やお寺の理解を得るのが難しいこともあります。
自分の葬儀費用は誰が負担する?
自分に万が一のことがあった場合、葬儀費用は誰が負担することになるのか気になる方も多いでしょう。一般的には誰が負担するのでしょうか。
自分の葬儀費用を負担するのは喪主
葬儀費用を負担するのは、一般的には「喪主」とされています。しかし、これは昔ながらの慣習で、近年では自分自身で葬儀費用を準備したり、子供や親族で分担することも増えてきています。自分の葬儀費用を、喪主になる配偶者や子供に一人で背負わせるのは負担が大きいです。自分自身が元気なうちに葬儀保険に加入するなどして準備をしておくことが大切です。
葬儀保険の保険金は自分の葬式代以外にも使える!
葬儀保険の保険金は、葬儀費用以外に使うこともできます。主な使い方を挙げてみましょう。
墓石にかかる費用に充てる
葬儀保険の保険金は、墓石の費用に充てることができます。納骨時のお墓の処理や古くなった墓石の修復などはそこまで費用がかかりませんが、新しくお墓を購入すると100万円以上かかることもあります。
お寺へのお布施に充てる
葬儀保険の保険金は、お布施の費用に充てることができます。葬儀でお坊さんに読経してもらった場合のお布施は平均15万〜50万円程度とされています。その他にも戒名にもお布施が必要となります。
遺品整理にかかる費用に充てる
葬儀保険の保険金は、遺品整理にかかる費用に充てることができます。遺品整理を業者に頼んだ場合、平均10万円程度かかりますが、遺族の負担を減らすことができます。
遺族の生活費用に充てる
葬儀保険の保険金は、遺族の生活費用に充てることができます。配偶者や子供の確たる収入がない、もしくは少ない場合には、保険金で当面の生活を保障することができます。
葬儀保険に加入すると自分自身にもこんなメリットがある!
葬儀保険に加入すると、葬儀費用の準備だけではなく自分自身にもメリットがあります。いくつか紹介しましょう。
ファミリー健康相談サービスが利用可能
葬儀保険に加入した人は、ファミリー健康相談サービスを利用することができます。急に体調を崩してしまったり病気で不安になった場合、保健師、看護師等の資格を有する相談員に無料で電話相談ができます。
人間ドック・健診がお得に利用可能
葬儀保険に加入した人は、人間ドックや健診をお得に利用することができます。加入している健康保険や居住地によっては、葬儀保険の特典で健診を受ける方がお得になる場合があります。
このほかにも、弁護士、税理士などの専門家による相談サポートや提携している葬儀社の割引特典などのメリットがあります。
葬儀保険を活用して自分の葬式代を家族が請求する場合の流れ
では、葬儀保険の保険金を家族が請求する場合の流れについて説明しましょう。
保険会社の窓口に被保険者が亡くなった旨を連絡して必要書類を取り寄せます。電話連絡は原則、保険金の受取人となっている者が行います。
保険会社から送られてきた書類に必要事項を記入して返送します。書類は保険金受取人が記入します。内容に不備があると、保険金の支払いが遅延することもあるので注意しましょう。
書類が保険会社に到着すると審査が行われ、不備がなければ5営業日後に指定した口座に保険金が振り込まれます。
まとめ:葬儀保険に加入することで自分の葬式代に備えることができる
当ページでのまとめはこちらになります。
- 葬儀保険に加入すると自分の葬儀代に備えることができ、家族の負担を減らし、自分の望む葬儀を行うことができる
- 葬儀保険の保険金は葬儀以外にも、墓石にかかる費用や遺品整理などに使うことができる
- 葬儀保険に加入すると、健康相談サービスや健診の割引など自分自身にもメリットがある